助成団体紹介
【助成先訪問】地域資源場所を活用した学習支援「てらこーち」を開始
特定非営利活動法人 暮らしづくりネットワーク北芝(大阪)
代表 埋橋美帆さん
2020年度前期の活動について、代表の埋橋美帆さん、事業担当の吉田有里さん、森健太さんからお話を伺いました。
暮らしづくりネットワーク北芝とは?
- 北芝のまちづくり「誰もが暮らしやすいまち」を目指して
- NPO法人暮らしづくりネットワーク北芝は、大阪府箕面市萱野地域を中心にまちづくりを担う団体として2001年に設立。青少年会館機能を併せ持つ萱野中央人権文化センター「らいとぴあ21」の指定管理事業や、生活困窮者自立支援事業の一部受託を通して、経済的な困難などを抱える子どもたちや家庭の支援を行っています。
- 活動地域「北芝」を「人が出会い、つながり、元気になれるまち」へ
- 暮らしづくりネットワーク北芝を含む5つの団体で構成する組織は、地域全体の子育て・福祉・雇用・住民同士の交流など「暮らしやすいまちづくり」を目指し、様々な場づくりや取り組みを実施しています。
地域通貨「まーぶ」を発行
地域の声から生まれた地域資源場所を活用した学習支援
「てらこーち」をスタート
「てらこーち」今後の3年間のステップ
「てらこーち」事業 1年目前期の取り組み結果
てらこーちの運営委員会
訪問を終えて
地域通貨「まーぶ」を発行
地域通貨「まーぶ」は、2011年から箕面市で流通している子どもも大人も使える地域通貨です。 どんな状況にある子どもでも自分の力で「誰かのためになること」「自分の未来のためになること」をすれば稼ぐことができます。 例えば、団体が主催するイベントの準備や資料はさみこみや地域への配布などをすると、まーぶを稼げます。稼いだまーぶを使って欲しい物が買えたり体験ができたりします。 子どもたちが地域の人と豊かなつながりを持ち、学んだり働いたりする豊かな体験を通して、子どもたちが未来の自分の選択肢を広げられる機会を得ることを目指しています。
地域の声から生まれた、地域資源場所を活用した学習支援「てらこーち」をスタート
暮らしづくりネットワーク北芝は、法人設立から「つぶやき拾い」と称して、住民の声を聞き地域全体で解決していく事業を創出されてきました。子どもの居場所づくりや子ども食堂の開催など、経済的困難を抱える家庭支援を数多く実施されています。
本助成事業の「てらこーち」も保護者の声から立ち上がった事業です。
現在箕面市の学習支援事業はありますが、その制度にはあてはまらない家庭の保護者からの「子どもに勉強を教えてほしい」「家では勉強する習慣がつかない」などの声を受け、今回本助成を活用し学習支援を実施いただくことになりました。
※「てら・こーち」ネーミングの由来
寺子屋とコーチングを組み合わせた言葉。ラテン語の「terra(大地≒地域)」と「構築」を組み合わせ、地域で子どもたちを支援していくという意味も込められています。
「てらこーち」今後の3年間のステップ
「てらこーち」事業の持続可能な運営を目指し、3年間で以下のステップを実施予定です。
初年度:<学習事業の基盤整備/担い手の巻き込み/スタッフ育成>
重点実行項目① 地域の小中学生を対象とした学習支援事業
重点実行項目② 事業運営委員会を発足し、保護者、学校、行政との協議の場を設ける
重点実行項目③ 学習サポーターの巻き込みと養成
2年目:<持続可能な仕組みづくり>
・1年目の実施状況の分析 ⇒ 対象者の学習効果確認、地域資源の学習拠点拡大など
・保護者アプローチ(子どもの学習姿を見える化⇒関心関与を高める)
3年目:<継続運営に向けたモデルの確立>
・地域住民を巻き込んだ学習支援体制のモデル確立
・遅延団地、地域企業へ本事業内容を報告 ⇒ 協力要請
「てらこーち」事業 1年目前期の取り組み結果
新型コロナウイルスの影響から、3か月遅れの8月末にスタートした「てらこーち」。 開始から3か月経ち、子どもたちと学習サポーターの信頼関係も徐々に築かれてきたといいます。
てらこーちの運営委員会
学校・行政・有識者・保護者・地域住民・暮らしづくりネットワーク北芝から構成される運営委員会を発足し、定期的に「てらこーち」事業の取り組みを中心に、子どもたちの様子などを共有する場を設けています。 効果評価の設定、複合的な課題への打つ手や今後の対象者拡大方法など、それぞれの立場でどのように連携し支援していくのかを話し合われています。
訪問を終えて
長年地域の人々に寄り添って課題解決されてきた暮らしづくりネットワーク北芝。過去の実績と地域での強い信頼関係があるからこそ、多岐にわたる事業領域においても様々なステークホルダーと協力して運営できているのだと実感しました。
我々もこれから3年間「てらこーち」事業について一緒に考えながらサポートしていきたいと思っています。そして3年後、今回の取り組みが他地域の参考事例となれるように、経過状況も随時発信していきたいと思います。