助成団体紹介
2021活動報告|ひとり親家庭をはじめとした貧困家庭の児童生徒への個別学習支援事業と組織力向上事業
特定非営利活動法人Next Generation
1年目の助成期間を終え、実行項目の柱である「学習支援」についてご報告いただきました。
事業の詳細などは以下からご覧ください。
採択団体一覧|2021年度<経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成>
学習支援の実施状況 学習支援の結果、気づき 事業を止めないための工夫点 1年間の総括および次年度の取り組み概要と抱負
学習支援の実施状況
私たち特定非営利活動法人Next Generationでは、学習の機会に恵まれない子どもたちの学力を高めることや学習習慣の定着を図ることを目的に1対1の個別学習指導を行っています。
当初は、2021年5月から事業をスタートさせる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大により、思うようなスタートができず、最終的には秋からの実施となってしまいました。そのような状況もあり、2021年度の実施を暫定的なものとして、2022年度当初に仕切り直して、実施することとしました。
2021年度は、14名の中学生が、毎週、学習スペースを訪れ、大学生スタッフの指導のもと、学力の向上や学習習慣の定着を目指しました。同じ曜日・時間に、同じスタッフと子どもの組み合わせで学習を行うので、リズムを作りやすいことやスタッフと子どもの距離感も縮まり、参加した子どもの中には、スタッフに恋バナをしてくれる子どももいました。
学習支援の結果、気づき
「週1回の学習機会で、本当に学力の向上や学習習慣の定着を図ることができるのだろうか。」私たちは、この取り組みを始めた当初から、疑問を抱いています。そこで、目をつけたのが家庭で取り組めるオンライン教材です。学習スペースを訪れている時以外にも学習することができますし、自分のレベルやペースに合わせることもできます。
そのため、タブレットを30台購入し、子どもたちへ貸し出しました。また、Wi-Fiの整備が整っていない家庭には、モバイルWi-Fiの貸し出しも始めました。
今までであれば、学習スペースを訪れたときにだけ、学習状況を確認しますが、オンラインを活用したことで、いつでも確認することができるようになりました。また、学習の苦手な子どもがゲーム感覚でオンライン授業を受講してくれるなど、オンラインの効果を強く感じています。
事業を止めないための工夫点
2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、活動を自粛せざる得ない期間も長かったです。
特に緊急事態宣言等により学校での活動が自粛されたり、学校閉鎖や学級閉鎖が続いたりしていた期間では、対面での活動を控えました。 この取り組みでは、タブレットやモバイルWi-Fiの貸し出しも進めています。対面での活動を自粛せざる得ない状況になったときには、オンラインでの取り組みに切り替え、学びを止めないようにしていきたいと思います。
1年間の総括および次年度の取り組み概要と抱負
学校や社会活動が制限される中で、私たちの活動をどこまで行なっていいのか、どのように学びを保証していくのか、とても判断に困る1年でした。
2022年度は、オンラインを活用して、学びを止めない工夫を講じていくとともに、大学生スタッフが子どもたちに勉強を教えるだけでなく、オンライン教材を活用し、スタッフが子どもたちの学習の進捗や習熟度などを管理する伴奏者になっていきたいと思っています。
また、群馬県では2024年度より、多様な体験や学びなどを重視する高校入試選抜へと変化します。このことを踏まえると、私たちも単に勉強を教えるのでなく、普段の生活では体験し得ない学びを提供していく必要があると考えています。体験型のプログラムを企画し、子どもたちに多様な学びを届けていきます。
小高広大 さん
高校3年生だった2016年11月に同NPO法人を設立。
県職業能力開発審議会委員、前橋市公民館運営審議会委員、高崎市公民館運営審議会委員。元前橋市高校生学習室室長。慶應義塾大学在学中。