公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2021活動報告|重い病気を抱える子どものための「おしごとカフェ」の開催

特定非営利活動法人 チャイルド・ケモ・ハウス(現 公益財団法人 チャイルド・ケモ・サポート基金)

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。当初は対面実施の予定でしたが、感染症の再びの蔓延のためオンライン実施とし、2022年に活動期間を延長したうえで対面イベントも行いました。事業の詳細などは以下からご覧ください。



2021年事業紹介|重い病気を抱える子どものための「おしごとカフェ」の開催

採択団体一覧|2021年度<重い病気を抱える子どもの学び支援活動助成>



事業の目的 事業の内容 事業の結果 事業の成果 自己評価 課題および今後の展望

事業の目的

・子どもたちが自分の好きなことや得意なことに気づく。
・さまざまな社会体験や仕事について知ることを通して、子どもたちが楽しみながら好きなものを見つける機会をつくる。
・重い病気を持つ子どもやご家族たちが将来や就労のことをイメージするきっかけを提供する。

事業の内容

【2021年度】オンライン実施
対象:10歳~18歳の重い病気を抱える子どもとその家族
活動内容:オンラインで、動画で紹介しながら昆虫館の見学ツアーや本づくり、またミニカフェについても12月から3月まで1か月に1度、オンラインで気軽に参加し、就労支援の専門機関の方等とざっくばらんに話ができる場を金曜もしくは土曜日の夜に設定した。


【2022年度】対面実施
対象:小児慢性特定疾病医療受給者証をお持ちの概ね12歳~18歳の子どもとその家族
活動内容:座談会形式で、協力者が今の仕事をするまでの話や仕事の考え方などを中心に楽しく会話をしながら交流会。
アットホームな雰囲気の中で、小児がんサバイバー(以下Aさん)の好きなこと・やってみたいこと(小児がん患者が集まれるカフェを作りたい)から話が広がり、色々なスタッフから、自分の考えの整理の仕方といったすぐに役立てられそうなアドバイスから、色々なスタッフのしごとの体験談・やりがい・その仕事に就いたきっかけ、体調管理などについて、 普段中々聞くことができない話で大いに盛り上がり、とても楽しい会になった。

事業の結果

【2021年度】オンライン実施
全6回(うち1回は申込者なしのため、未実施)

① 「オンラインおしごとカフェ(伊丹市昆虫館に行ってみよう!)」 
11月21日(日) 参加者:4家族(患児・きょうだい含むこども4名と保護者4名)、外部講師 2名

② 「第1回オンラインdeミニカフェ」 
12月17日(金) 参加者:患児 2名、外部協力者 2名

③ 「第2回オンラインdeミニカフェ」
1月14日(金) 参加者:なし

④ 「オンラインおしごとカフェ(本をつくるお仕事)」
2月19日(土) 参加者:5家族(患児5名・保護者3名)、外部講師 1名

⑤ 「第3回オンラインdeミニカフェ」
2月26日(土) 参加者:患児 1名、外部協力者 2名

⑥ 「第4回オンラインdeミニカフェ」
3月11日(金) 参加者:患児 1名、外部協力者 1名


伊丹昆虫館見学ツアー(2021/11/21(日))のZoomでの説明の様子
オンラインdeミニカフェ配布チラシ
オンラインおしごとカフェ(本をつくるお仕事)配布チラシ

【2022年度】対面実施
① 「おしごとカフェ」
7月23日(土) 参加者:小児がんサバイバー(19歳女性)1名、外部協力者 5名 オブザーバー 1名

おしごとカフェ(対面実施)イベント配布チラシ
おしごとカフェ(対面実施)参加者がスタッフ・イベント協力者と話をしている時の様子
参加者が協力者からコーヒーの淹れ方を教えてもらっている時の様子

事業の成果

イベント全体を通して、最初にアイスブレイクをしてリラックスした雰囲気になり、参加者間で自然と打ち解けていくことができた。
主催者側が一方的に配信するばかりではなく、双方にやり取りしながらの時間が多く持てた。保護者の方々の参加も多く、気分転換にもなり、きょうだいも参加してくれていたため、家族のリフレッシュの時間になったと考えられる。我慢しているきょうだいにとってもよかった。
また、参加者がこのイベントを通して、色々な経験をしている協力者から色々なアドバイスや話をしてもらったり、相互にコミュニケーションをとることを通して、自分自身の将来のことを考える上で、とてもいい機会になったと思う。

自己評価

今回は初めて「就労」をテーマにしたイベントであったが、重い病気をもつお子さんやご家族さんと一緒に語り合えたり、体験活動を通して楽しみながらお子さんの興味や関心を広げるきっかけづくりになり、親子やきょうだいも一緒に楽しむことのできた実りのあるイベントになったと思う。

課題および今後の展望

今回は対象者が高学年向きで、しごとにフォーカスした内容であったため、参加できる人数や対象が限定された。また、コロナの感染状況の拡大のため、2021年度は対面実施が困難でオンラインの開催や少人数での開催にならざるを得なかった。
2022年度もイベント実施計画中にコロナ感染が再度急拡大している状況ではあったが、感染対策を取りながら、何とか対面で実施することができた。
今後も何とか対面での実施を検討していきたい。また、今後のイベントでは、参加者の年齢層・対象などについても検討していきたい。

特定非営利活動法人 チャイルド・ケモ・ハウス(現 公益財団法人 チャイルド・ケモ・サポート基金)

副理事長

田村亜紀子 さん

大学在学中、阪神・淡路大震災後に発足した外国人地震情報センターにて被災した外国人を支援するボランティア活動に加わる。
2000年 第 1子出産。
2002年 長男が神経芽腫(小児がんの一種)と診断され、1年間の入院付添い生活を送る。
2006年 長男との闘病生活の経験よりNPO法人チャイルド・ケモ・ハウスの発起人メンバーおよび事務局長として活動を開始。
2009年11月 長男が亡くなる(享年8才)。長男の他界後、小児がん治療中でも家族とともに家のように過ごせる施設の設立に奔走。
2013年2月 神戸ポートアイランドに「チャイルド・ケモ・ハウス」完成。現在同法人副理事長として、 小児がんだけでなく地域で暮らす重い病気をもつ子どもと家族の支援にも取り組んでいる。TED神戸(当時 TEDx三宮)に出演。

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