助成団体紹介
2022活動報告|学習教室新規開設1年目の工夫点と成果について
特定非営利活動法人ゆめみ~る
1年目の助成期間を終え、学習教室の取り組みをご報告いただきました。
事業の詳細などは以下からご覧ください。
学習教室開設に向けた工夫 ボランティアとの信頼関係構築に向けた工夫 参加者の声 2022年度の取り組みを通じて
学習教室開設に向けた工夫
こども食堂に足を運んでくれる子ども達に自由に過ごせる空間と食事を提供するこども食堂は、「食べる(食べてもらう)」だけの場所ではなく、子どもとの出会いを様々なチャンスに活用出来る拠点になると考えられます。
例えば、学習関連の機会や高校生、大学生の先輩から話を聞く会、働いている大人から様々な仕事の話を聞く会などです。
これら全てをこども食堂の関係者が自ら企画・実施運営を行うのは、現実的ではありません。
その解決方法は、こども食堂という空間・時間を、「学習支援の実施を目的にしている活動団体」や「子ども支援を目的にしている活動団体」に提供し協働することによって、子ども食堂という拠点を様々な子どもへの働きかけの場へ進化させていけるのではないか、と考えています。
ボランティアとの信頼関係構築に向けた工夫
私たちの学習支援では高校生、専門学校生のボランティアさんと生徒が二人三脚で学習に取り組みます。
ボランティアさんは生徒の努力を褒め・喜び、成果を一緒に喜びます。このようにして生徒の学習に対するモチベーション維持と寄り添いは大きな成果を出しています。
参加しているボランティアさんに対して、最初にお願いしたことは「この勉強会に参加してくれた時間」は「子どもファースト」をテーマに行動して欲しいと言うことです。
ボランティアさん研修会では子どもとの信頼関係作りの作法やNG行為などを事例を使って説明しました。
そして勉強会の初日、ボランティアさんは学習会開始の1時間前に集合して事前の打ち合わせを行います。
会場となる子ども教室の玄関に備えた靴箱はボランティアさんたちの靴が手が届きやすいスペースに並んでいます、生徒子ども達が来た際に靴を収められるスペースは、子どもでは手が届きにくいところばかりです。
事前打ち合わせで「今日、子ども教室に入るときに出来る子どもファーストに沿った行動はなんだろう?」と問いかけ、「子ども達が苦労せずに来る箱に靴を収められるスペースを開けておいてやれることでは?」と話すと、全員がはっとした表情で耳を傾けてくれました。
学習支援を初めて半年ほど経った頃にボランティアに参加してくれた高校2年生A君の担任から「A君がまるで別人のように積極的に振る舞うように変わった、学習支援でなにがあったのか?」と問われたことがあります。
参加者の声
ワクワクたのしい勉強会に参加する全ての子ども達はボランティアのお兄さん、お姉さんと会うことをとても楽しみにしています。
保護者さんからもお子さんがボランティアのお兄さん、お姉さんとの二人三脚がとても励みになり、頑張れると話していることを聞いています。
勉強会では1年を前後期の2期に分けて、利用者を募集しました。
前期で勉強会を卒業できる子ども数人にその旨を伝えたところ、全員の保護者が子どもはボランティアのお兄さん、お姉さんとの学習をとても楽しみしており、後期も続けたい旨の返答を受けました。
2022年度の取り組みを通じて
1年目は、生徒1人ひとりの苦手単元の克服をボランティアのお兄さん、お姉さんとの二人三脚で達成するゴールに向けて、手探りを行いました。
ボランティアさんと子どもとの信頼関係はボランティアさんが子どもに対して優しい眼差しを向けられる場合は当初の想定より短時間で距離感が縮まる事がわかりました。
下期からは教員経験者の参加が得られ、教える技術・手法について学ぶ機会があり、彼らからのアドバイスをベースに2年目の学習スタイルを再構築する計画です。
特に、子どもの苦手克服の判定は、成果評価を的確に行い「エビデンスベース」の運用を取り入れる予定です。
エビデンスベースが持つ、プレッシャーやストレスはボランティアのお兄さん、お姉さんが支えることで子ども達が不要なストレスを抱え込まないような運用を目指します。
木内 卓 さん
大学卒業後、東京にてIT系会社を立ち上げWEBマーケティングに関わる。2015年故郷の北海道に戻り、地元NPOで生活困窮者自立相談主任相談員を務め、生活困窮者支援に関連するフードバンクや学習支援事業、子ども食堂の立上げにに関わる。2021年ゆめみ~るに理事として移籍し、子ども支援に特化したフードバンク事業、学習支援事業に邁進中。