公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2023活動報告|学び・遊びを提供する「ドリームルーム」を病院内や自宅で計65回開催

特定非営利活動法人 東京こどもホスピスプロジェクト

病気・障がいを抱える子どもの学び支援

助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

2023年事業紹介 小児がんや難病等の子どものための、学びや遊びの支援事業

事業の目的 事業の内容 事業の結果 事業の成果 自己評価 課題および今後の展望

事業の目的

小児がんや難病等の生命を脅かす病気(LTC)の子ども達は、全国で約2万人おり、こうした子どものいる家庭は、医療・福祉・教育制度の狭間で孤立し、精神的・肉体的・経済的・社会的に大きな負担を抱えています。LTCの子どもは、家族や友人達と一緒に子どもらしく生きる権利を有しているはずが、環境や家族の負担が障壁となり、病院内での制限された生活を送らざるを得ないことも少なくありません。

そのため、地域においてLTCの子ども達が安心、安全に自分らしく過ごせ、在宅生活の支援が受けられる場が必要とされています。そこで、入院中や自宅療養中の子どもに対し、それぞれの希望に合わせた学びや遊びの提供を行います。
相談窓口を通じて、小児がんや難病の子どもと家族から悩みや希望を聞き、学びや遊びの支援へとつなげていきます。

事業の内容

重点実行項目① ドリームルームの出張支援により、病児の夢や希望を叶えていく
◆対象 東京都(主に多摩地域) 0-20歳
◆概要
場所:東京小児療育病院、自宅
目的:病児へ学び・遊びを提供し、笑顔で過ごせる場所を作る。
内容:東京小児療育病院や訪問先において、病気で通学や通園が困難な病児・家族に対し、学びや遊びを通して笑顔で過ごせる場所を提供します。また、24時間介護などで疲弊している保護者の休息時間を確保するためドリームルームを施設や自宅で開催し、学びや遊びの支援を行います。

学び・遊びを提供するドリームルーム

重点実行項目②病気を抱える子どもの学びや遊びの支援を行うボランティアスタッフの育成
◆対象 東京都および近郊 18歳以上
◆概要
日時:6月13日、1月10日
目的:病気の子どもへの支援方法について、スタッフとボランティアの共通理解ができ、実際にボランティア活動が行えるようになる。
内容:活動を行うにあたり、ボランティアスタッフが必要となりますが、小児がんや難病の子どもや家族と接し、学びや遊びを提供するためには、感染予防等の病気に伴う配慮や、個別性の考慮などが必要です。また、病気療養中の子どもが経験しづらい、学びや遊びを通して他者と交流する機会を提供し、その経験を通して達成感や自己肯定感を得てもらうという目的を共有化しながら活動する必要があります。
東京こどもホスピスプロジェクト独自のテキストを基にグリーフケア資格保持者、がん病棟勤務歴のある看護師などによる研修会を行い、病児・家族への対応方法や病気・安全への知識、心構えなどを身に着けていただきました。

事業の結果

重点実行項目① ドリームルームの出張支援により、病児の夢や希望を叶えていく
病院施設にてドリームルームを23回開催
自宅にてドリームルームを42回開催
延べ人数参加人数 110人(家族含む)
病児の年齢 0歳から16歳

さまざまな遊びを用意

季節に合った絵本も用意

重点実行項目②病気を抱える子どもの学びや遊びの支援を行うボランティアスタッフの育成
研修会2回/年
参加人数 13人

事業の成果

重点実行項目① ドリームルームの出張支援により、病児の夢や希望を叶えていく
学び/遊び支援を通じて、希望がかなった、笑顔が増えた、意欲が増した、等の良い効果が見られています。
医療、教育機関の、東京こどもホスピスでの学習支援に対する理解が進んでいます。
小児がんや難病の子どもが、個々の状態に応じた学びや遊び支援を受けられるようになっています。

ドリームルームで、季節の行事を楽しむ

重点実行項目②病気を抱える子どもの学びや遊びの支援を行うボランティアスタッフの育成 目標人数に達することはできませんでしたが、少人数での講習だったため参加者の疑問点を解決したり、一人ひとりにていねいに講習内容を伝えることができたりと、理解度は深まりました。グループワークでは講師が各グループに一人入ることができ、実体験などをよりていねいに伝えることができました。

自己評価

東京小児療育病院では外来患者に向けて周知活動をしながら、活動を行なっていました。ドリームルームの開催が土曜日ということもあり、外来患者が少ない曜日でもあるにも関わらず、当日参加者がいたこと、その利用者が定期的に土曜日外来通院している方でリピータになっていただけたことが、利用者の獲得につながりました。実施内容は、利用者の身体的な状況に合わせワークショップです。

ドリームルームでのワークショップ

個々の状態に応じて体験を提供

ワークショップでの成果物

自宅でのドリームルームは、チラシなどを見た方から問い合わせをいただき、面談でどのような学習をしたいかを確認後、自宅での学習を行いました。学習の合間に遊びを取り入れ、学習が嫌にならないよう気分転換を図りながら進めました。

課題および今後の展望

事業継続のため、都、市などと連携をとり予算の獲得、助成金の獲得を継続的に行っていきます。
寄付者獲得には周知活動の強化が必要なので、各患者会、SNS発信強化、企業などへの訪問等も行っていきます。
またドリームルーム開催場所を拡大し、利用者の皆様が通いやすい場所で開催できるようにしていきます。
今後は施設を開設しいつでも、誰でも簡単に施設を訪問できるようにします。

特定非営利活動法人 東京こどもホスピスプロジェクト

代表理事

佐藤 良絵さん

・NPO法人東京こどもホスピス プロジェクト代表理事
・株式会社ヘヴンエンタテインメント 代表取締役 STUDIO ANGELS 代表
・昭島駅前商口商店街 理事
・昭島横田・友好クラブ 理事
・昭島市総合戦略策定検討委員会 令和3年度委員
・財政運営委員審議会 令和4年度委員
・昭島市生涯学習インストラクター 実施経験あり
・国体推進課 2年勤務 2013年国体 町田市担当 優勝
・八王子市 小・中学校 がん教育 講師

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