公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2023活動報告|子どもの居場所「みあちゃん家」を運営しながら、次代の担い手育成にも注力

特定非営利活動法人 miaforza

経済的困難を抱える子どもの学び支援

2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

2022年事業紹介 こどもの居場所・みあちゃん家:宮城県内のひとり親世帯のこどもたちを対象とした夕食付無料学習支援事業 2022活動報告|こどもの声から生まれた、ひとり親世帯の中学生向け学習応援の場「寺子屋みあちゃん家」

3か年のステップ 2023年度の成果 2年間の総括及び次年度の取り組み概要と抱負

3か年のステップ

2022年度最も力を注いたのは「担い手育成」でした。こども応援事業だけで11回の研修を行いました。この研修は、内部研修だけではなく宮城県内でこどもを応援する活動を行っている・これから始めるという外部の方と合同で行う研修の2種類の形式で行いました。研修を重ねるごとに、知識や情報を増やすだけではなくスタッフ相互の関係も深くなっていきました。現場の活動と研修の二本立てで進めた「担い手育成」の最大の成果のひとつは、活動者間の信頼関係の構築でした。

2023年度は、前年度育成した大学生を中心に事業を展開していくことを目標に始まりました。信頼関係を基礎とした意見交換や支え合いは、大学生だけではなくこどもたちの成長にもつながりました。事業を運営する私たちの姿勢は、ダイレクトにこどもたちに反映されることを目の当たりにする場面が多くありました。

大学生スタッフと、文具サポートを行っている他の学生団体が連携し、「文具でつくる七夕飾りワークショップ」を開催。ひとり親世帯のこどもたちへの文具提供が、こどもの居場所や法人他事業にて複数回開催される流れが生まれました

2024年度は、これまでの実績を棚卸ししながら、次のステップに踏み出します。私たちの「こども応援事業」は、「居場所の運営を通したこどもたちへの寄り添い」と、こどもを応援する「担い手育成」の2つを柱としてきましたが、2024年度は、この2つに併せ、「こどもたちに必要な官民連携による仕組みづくり」へと踏み出すことも柱としています。

2023年度の成果

2023年度は「学生リーダー」3名に、①小学生を対象とした「こどもの居場所・みあちゃん家」②中学生を対象とした「寺小屋みあちゃん家」③こども応援事業スタッフ会議の3つをそれぞれ担当していただき、事業を進めました。学生リーダー同士の連携で、それぞれの「進め方の流れ」が確立されていきました。社会人スタッフとの業務分担について混乱することもたびたびありましたが、そのたびにひとつひとつの業務は何をめざし、何を大切にしているのか、というところに立ち返りながら対応を進めました。大学生のみなさんが個々の力を発揮するための応援や仕組みづくりを行うと同時に、大学生のみなさんが大切にしていること(例えば学業や趣味等)を尊重することも重視しました。

学習支援の場「寺子屋みあちゃん家」の様子

また、法人として「こどもを応援すること」について、くり返し検討を重ねました。このことは、利用している小中学生のこどもたちだけではなく、大学生のみなさんを応援する・大切にする・尊重することにもつながったように思います。こどもたちの声を一番近くで聞いている大学生のみなさんに活躍していただくことは、こどもたちの声を事業に反映していくことにつながります。「こどもたちの声」を聞くことで、大学生のみなさんも、事業も、そして法人としても、成長する点が多くありました。こどもたちの成長を私たちが応援しているのではなく、こどもたちとともに、大学生も私たちも、事業も成長を重ねることができた年が2023年度でした。

2年間の総括及び次年度の取り組み概要と抱負

この2年間で、私たちはこどもたちと関わりながら、居場所事業と担い手育成に力を注いできました。当初の予定や計画を上回る成果を得たこともあれば、もちろん、たくさんの失敗もありました。失敗こそが、これから本事業が成長するポイントだととらえています。2024年度は、2年間の良かったことも悪かったことも合わせて棚卸しを行い、助成終了後の2025年度からの展開に向けて動いていく年です。どのように次世代育成を進めていくのか、事業を産み育てていくのかについて、「これから」を強く意識し、構想することを2024年度上半期に取り組みたいと考えています。2024年度下半期には、2025年度のその先を見据えた準備を進めます。こどもたちを取り巻く状況・制度が刻々と変化するなかで、「これから」を見極め、構想していくことが問われる一年だと考えています。

こどもたちの「コレ、やりたい!」を聴きながら、「飛び出せ!みあちゃん家」と題して体験型遠足を実施。 2023年度は4回実施。写真は筆甫への遠足の様子
「飛び出せ!みあちゃん家 in 三浦農園」の様子。春に種付し秋に収穫するという農園への遠足はこどもたちに大人気。2024年度も継続決定し、こどもたちも私たちも今から楽しみにしています
こどもたちの「見たい、聴きたい、コレ、やりたい!」を、寄付者の方たちの応援を得ながら形にしていきました(例:プロスポーツや花火大会、ミュージカル等の観戦チケットの提供)。「こども応援事業」のファンを増やすこと=こどもたちの応援団をつくること にも注力した2023年度でした

特定非営利活動法人mia forza

代表理事

門間尚子 (もんましょうこ)さん

大学卒業後、勤務の傍ら、2000年より、国や自治体・教育機関等で、性暴力やD V・デートD Vの講演や研修講師を担当。また、複数のNPO/NGOに所属し、こどもと女性に寄り添う活動を行っている。
2015年より性暴力被害女性とこどもに寄り添うチームとして「mia forza」を設立。その後、「せんだいこども食堂」「みやぎこども食堂ネットワーク」を立ち上げ、こども食堂を通してより多くの方へこどもへの寄り添いを働きかけた。コロナの感染拡大によりさらに深刻な状況となった女性やこどもを支えるために、2021年10月に「mia forza」をNPO法人化。
現在最も力を入れているのは、ひとり親世帯の親子・女子少年院出院者・性暴力被害者の方への応援。また、より多くの個人がNPOで力を発揮できるよう、NPOにおけるハラスメント問題の防止と解決に向けたしくみづくりにも力を入れている。

(元)特定非営利活動法人せんだいこども食堂 代表理事
(元)みやぎこども食堂ネットワーク 発起人代表・代表幹事団体代表 ほか、女性やこどもを応援する組織にて、アドバイザー、専門相談員、監修者等を務めている。

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