公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2024活動報告|傷つきを抱えたこどもへの体験学習と訪問型食支援で、こどもたちに変化が

認定特定非営利活動法人 オリーブの家

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

1年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

傷つきを抱えたこどもに生きる力を育む地域連携体験学習/孤立防止オリーブキッズサポートランチ宅配事業

2024年度の取り組み 1年間の振り返り 2年目に向けて その他

2024年度の取り組み

2024年度、私たちは「体験格差」「孤立」「不登校」「貧困」など複合的な困難を抱えるこどもたちの健やかな育ちを支えるため、「体験学習」と「訪問型食支援」の2本柱の事業に取り組みました。

一つ目は、地域の自然や人とつながる「体験学習事業」。7月の乗馬セラピーから始まり、10月には里山での自然体験、1月にはプロカメラマンと共に行う職業体験を実施しました。動物のお世話や自然との良い距離感、昼食づくりや配膳など初めての体験の中で、こどもたち自身が創意工夫し協働することで自尊心と社会性を高める場を提供できました。

もう一つの柱は、長期休暇中に孤立しがちな家庭への「オリーブキッズサポートランチ宅配」。調理師やスタッフ、ボランティアが協力して栄養バランスの取れたお弁当を届け、対話や学習支援、見守りを行いました。1年間で延べ280食分を配達し、こどもたちとの関係性構築や支援ニーズの把握にもつながりました。

体験学習に夢中になるこどもたちは生き生きしています

1年間の振り返り

この1年で明確に実感したのは、「出会いの場」と「安心できる人との関係性」が、こどもたちの新たな可能性と変化を生む力であるということ。参加したこどもたちからは、「はじめて自分の本当のことを話せた」「学校以外の友達ができた」「夢が出来た」「好きなことが見つかった」などの嬉しい声が寄せられました。

ある不登校の児童は、最初は恥ずかしさや苦手意識から躊躇していましたが、回を重ねるごとに他者と関わる喜びや非日常的な場で新たな自分を発見して、自信がつき学校復帰にもつながりました。また、保護者からは「こどもが家で宿題をするようになった!!」「料理を手伝ってくれるようになった!」「笑顔や会話が増えた」といった幸せな報告も受けています。

ランチ宅配を通しては、栄養的な支援にとどまらず、訪問時にこども自身や家庭の困りごとを共有でき、緊急支援や他機関との連携にもつなげることができました。特に学習に不安を抱えるこどもたちに学習支援の機会を提供できたことで休み明けの不登校防止にもつながりました。

栄養満点のお弁当をお届けしてこどもたちの困りごとに耳を傾けます

2年目に向けて

2025年度は、新たな支援対象となる家庭やこどもたちへのアプローチと、倉敷市・津山市以外の地域への展開を視野に入れていきます。とくに、発達課題や家族関係に悩むこどもたちへ、より個別に対応できるよう心理士や専門職との連携を強化する予定です。

また、支援者育成にも注力していきます。事業に関わる地域ボランティアや学生スタッフの理解を深めるため、研修や事後の振り返りを重視する仕組みを整えていきます。

「また来て欲しい」「ごはんを一緒に食べたい」「もっと外で遊びたい」「宿題を一緒にして欲しい」などのこどもたちの声に応えられるよう、活動の質と継続性を高めていきたいと思います。

スタッフとボランティアと地域の協力者みんなで寄り添ってこどもの力を引き出します

その他

私たちの支援の先には、こどもだけでなく家族、地域全体の変化があると感じています。虐待の予防、孤立の防止、そしてこどもたちの「生きる力」を育むことは、社会の未来を守ることでもあります。

まだ支援が届いていないこどもたちがいる。だからこそ、「こちらから会いにいく支援」をこれからも大切にしていきます。

認定特定非営利活動法人オリーブの家

理事長

山本礼知 さん

2017年ヒューマンキャンパス高等学校卒業 
2017年12月~2019年3月 フィリピン留学、オーストラリアにワーキングホリデー留学
2019年4月~2021年3月 大阪外語専門学校 キャビンアテンダント・エアライン科 キャビンアテンダント専攻
2021年4月~2022年3月 スカイマーク株式会社 キャビンアテンダントとして乗務
2022年4月~現在 京都橘大学 健康科学部心理学科 通信課程在籍

2017年11月~2021年3月 オリーブの家監事
2021年4月~理事
2022年4月~事務局として実務に携わる
2023年5月13日より新理事長に就任

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