公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2024活動報告|中高生などの学習支援では、一人ひとりに目標を定め、きめ細かくサポート

一般社団法人 くじら寺子屋

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

1年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

進学に課題を抱える中学生・高校生・高卒認定の受験サポート及び県外受験同行支援

事業について 2024年度の取り組み 1年間の振り返 2年目に向けて その他

事業について

くじら寺子屋は、小学生から無料で利用できるこどもの居場所です。設立11年を迎え、小学生だった子が社会人へと巣立ち始めています。
そんな中で、進学に課題を抱える世帯に多く出会ってきました。
不登校、高校中退、経済的な理由での大学進学の壁など様々な問題に関わり、向き合ってきました。
そして沖縄県の課題に県外進学があります。学校行事以外では、県外受験で初めての飛行機、初めての電車となるこどもが多いという問題です。
保護者も不慣れな中、受験に立ち向かっていきます。保護者から県外受験の不安についての相談を受ける機会も多く、その内容の中に渡航費の負担についてが語られます。
くじら寺子屋で何が出来るか、何が必要とされているか考えました。

くじら寺子屋の学習風景

2024年度の取り組み

くじら寺子屋は、これまで宣伝活動に力を入れてきませんでした。なぜなら、毎年利用希望者がとても多いからです。活動も11年になり、地域での知名度も上がっています。しかし、それは地域限定です。そこで、関係機関や学校、SSW(スクールソーシャルワーカー)に事業説明をし、必要な方が繋がれるように宣伝活動に特に力を入れました。

中学生以上の学習支援のチラシ

目的が学習であることもはっきりとわかるように こども達への説明も丁寧に行いました。一人一人に学習ファイルを作り学習の記録をとり、目的意識をもって時間を過ごすことを定着させることが出来ました。
これまで実施したかった県外受験のサポートも事業として行いました。初年度は、県外のこどもの居場所やこどもの支援をしている団体に資金がなくなった時でも支援が続くように事業説明を様々な場面で行いました。初めての電車、県外の知らない土地で受験をする不安を少しでも軽くするために事業に工夫を重ねたいと考えています。

県外受験同行支援のチラシ

1年間の振り返り

広報に力を入れたので、事業を理解して応援してくれる方が増えたのがとても嬉しいです。また、大学生ボランティアが増えたのも嬉しいです。
事業としては、まだ手探りな部分も多いので反省点を活かし活動を活発にしていきたいと考えています。

年度末に実施したバーベキューでは、小学生から高校生、そしてボランティアスタッフが集まって過ごしました。室内室外合わせて約100名の参加者。利用時間が違い普段会う機会がないもの同士もすぐ一緒に遊んでいました

2年目に向けて

県外同行支援を創り上げていきたいです。
これまで以上に協力して頂ける団体を全国に作り関係を深め、支援がいつでも出来る体制を強化していきます。

バーベキューの様子

その他

大学生ボランティアや進学について話す上級生の存在が常にいる事で、勉強に興味が無かった子も興味をもっていく変わっていく様子がとても良いです。
勉強が苦手でもやりたいことがあると頑張れる、自分は何に対してなら頑張れるかなどの話から諦めずに進む力をつけていると感じています。
勉強が苦手でやりたくなくても自ら寺子屋にくる中学生を見ているとやりたいことを応援してくれる存在がいると実感しているからだと感じます。これからも一人一人が頑張れる力を少しずつ育んでいきます。

ボランティアの大学生スタッフに、こどもたちでケーキを作って誕生日会をした様子(こども達が自主的に実施)

一般社団法人くじら寺子屋

代表理事 

山下千裕 さん

琉球大学理学部卒業。大学卒業後は、茨城県つくばエキスポセンターで勤務。結婚を機に沖縄県に戻る。
三児の母。長女の子育てをする中で、「地域で子育て」をする必要性を感じ2014年から自治公民館の事務員をしながら自治公民館内で学習支援を始める。様々なこども達の課題と出会うことで活動が大きくなり、公民館から独立、事業所として運営が始まる。
学習支援を軸としながら、「こどもならいつでも誰でも無料で利用できる場所」としてこどもの居場所・こども食堂・食糧支援・プログラミング教室を実施。同時に文化芸能活動として「創作エイサーぶながやぐわぁ」を設立。地域のイベント出演やボランティア活動も行っている。

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