公益財団法人ベネッセこども基金

プログラム活用事例

防災 紙芝居と手話の両方が見えるように配慮して読み聞かせ

愛媛県立松山聾学校幼稚部

子どもの安心・安全を守る活動

『地震が起きた後のことを、初めてイメージできたようです。』

報告者
4歳児クラス担任 峪村先生
実施日時
2021年2月22日(月)
参加者
4歳児クラス・5歳児クラス 計3名

<目的>

ベルマーク活動を通して、この教材にめぐり合いました。地震が起こったらどんな行動を取るのがよいか、幼児が理解できることを目的として実施しました。

<内容>

自由遊び後の読み聞かせの時間に実施しました。普段の読み聞かせのように丸くなって集まり、幼児が紙芝居と語り手の手話の両方が見えるよう配慮しました。紙芝居の操作をする教員と、紙芝居を読む教員の二名で実施しました。

初めに、地震で家屋が崩壊している写真を見せ、地震が起きると家が壊れる危険があることを、幼児がイメージできるようにしました。

紙芝居は、幼児になじみのある「しまじろう」が登場することもあり、幼児はワクワクした様子で紙芝居の物語に引き込まれていました。手話で語ることもあり、手話と絵を十分見られるよう、ゆっくり紙芝居をめくるようにしました。「あおにんじゃ」の紹介の場面では、実際に体を動かして忍者をイメージしながら、頭を隠したり静かに歩いたりするよう促しました。しまじろうのお母さんが来なくて不安な場面では、幼児の顔も不安そうでした。教員が、「お母さんを探しに行く?」と問いかけると、約束を思い出し、幼児から「お母さんが来るまで待つんだよ。」と発言が出ました。

今後も地震の避難訓練の際にこの紙芝居を活用して、頭を隠すこと、しゃべらないこと、静かに歩くことをくり返し確認していこうと思います。

紙芝居の読み聞かせの様子 熱心に見る子どもたち
にんじゃ歩きをしている子どもたち
頭を守るポーズを取る子どもたち

<感想>

児童

  • しまじろう、お母さんと会えてよかったね。もし、学校で地震が起きて、お母さんが来なくても、先生と一緒にいればいいよね。

教員

  • 東日本大震災の起こった3月11日が近づくにつれ、子どもたちは家庭で地震に関する話をしたり、テレビ番組を見たりすることが増えると思い、この時期に実施しました。

    地震が起こったらまず頭を守る(机の下にもぐる、だんごむしのポーズを取る)ことは、これまでの避難訓練を通して身についているのですが、実際に逃げることや保護者の迎えを待つことまでは想像できていなかったと思います。この紙芝居を通して、しまじろうに自分自身を重ねながら、地震のときにどんな行動をすればいいか考えることができたと思います。

    聴覚障がいのある本校の幼児には、自分で情報を得られるよう、教員や保護者など自分を守ってくれる存在にしっかり注目する習慣を今のうちから身につけてほしいと思っています。紙芝居の中の「おしゃべりをしない」は、本校の幼児にとっては理解しづらい言葉遣いだったと思いますが、「お友達と話さず、先生を見るよ。」と補足をすることで理解できたかと思います。


SNSでこの記事をシェアする

一覧に戻る