助成団体紹介
2022活動報告|ブラジル人児童への学習サポート
特定非営利活動法人在日ブラジル人を支援する会(サビジャ)
2年目の助成期間を終え、実行項目の1つである「学習サポート事業」についてご報告いただきました。
事業の詳細などは以下からご覧ください。
採択団体一覧|2021年度<経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成>
2021活動報告|在日ブラジル人児童への発達サポート事業>
学習サポートの概要と結果 学習サポートの計画変更の背景や手ごたえ 2年間の総括および次年度の取り組み概要と抱負
学習サポートの概要と結果
日本に住むブラジルにルーツを持つ子どもたちに対し、母語であるポルトガル語による発達サポートを行いました。
ブラジル人心理士による心理相談や知能検査をもとに、子どもたちが抱える"困り感"を知り、保護者の方や学校と共有することで、子どもたちが一人ひとりにあった教育やサポートを安心して受けられるような環境作りを行いました。1年間を通して37人の子どもたちにサポートを行いました。
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学習サポートの計画変更の背景や手ごたえ
事業開始当初は1バイリンガル指導員に対し5名程度の児童にオンライン指導を行う予定でしたが、実際に支援を開始したところ、同じ学年であっても日本語レベルや学習習熟度に大きなばらつきがあることが分かり、指導員と調整して、1ないし2名児童への個別の指導に変更しました。
また1期3カ月の予定でしたが、子ども自身・保護者からの要望と指導員の考察からサポート期間を延長して同じ児童をサポートすることに変更しました。3カ月では習熟度および学習習慣の定着し始めたタイミングであり継続的なサポートが児童にとって有効であると判断したためです。
結果6カ月のサポートを完了し、理解度確認テストでも全員が得点アップしました。
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2年間の総括および次年度の取り組み概要と抱負
サビジャの学習サポートの特徴として、オンライン授業には必ず保護者も同席することが挙げられます。授業のサポートだけでなく、子どもの学習への理解や関わりを促進するためです。
また子どもが通う小中学校の先生とも連携し、学校での様子や支援が必要な単元などを学校から共有してもらい、サポートに役立てています。
サビジャと子どもの間でのサポートだけでなく、家庭と学校を巻き込んだ包括的なサポート体制を築くよう次年度も心がけて活動していきます。
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千葉明子 さん
大学でポルトガル語を専攻し、ブラジル留学を経験。ブラジル文化やブラジル人の人柄にふれあい、魅了され、帰国後はボランティアとして、日本に住むブラジル人とその子どもたちのサポートにかかわるようになる。現在は、NPO在日ブラジル人を支援する会(サビジャ)の心理相談や生活相談の窓口として、ブラジル人からの相談にポルトガル語で日々対応している。2022年度社会福祉士資格を取得し、日本語・ポルトガル語で対応できるバイリンガル社会福祉士としてブラジル人からの相談に対応中。