公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2022活動報告|多様な体験を通じた学びの実施

特定非営利活動法人Next Generation

経済的困難を抱える子どもの学び支援

2年目の助成期間を終え、教科学習以外の多様な体験を通じた学びの実践についてご報告いただきました。
事業の詳細などは以下からご覧ください。

採択団体一覧|2021年度経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成
2021活動報告|ひとり親家庭をはじめとした貧困家庭の児童生徒への個別学習支援事業と組織力向上事業




多様な体験の場の取り組み 取り組みからの気づき 次に向けて

多様な体験の場の取り組み

群馬県では、令和6年度高校入学者選抜試験より、多様な体験や学びなどを重視する入試形態へと変化します。
また最近では、多様な体験による学びが重要視されていますが、そのような機会を誰もが得ているわけではなく、このことは教育格差をさらに広げています。
令和4年度の取り組みでは、「主体性」「協調性」「思考分析力」を身につけることを目標に、体験を通した学習をおこないました。

初回の6月には、生徒と大学生スタッフとのボウリング大会を実施しました。普段の授業は、個別におこなっているため、生徒が一同に集まるのは初めてで良い交流の機会となりました。
8月には、廃校を借りて夏祭りを、10月には高校生から受験勉強や高校の選び方などについて話を聞く座談会を開催しました。

高校生からの進路アドバイス

子どもたちの予定に合わせて、毎月1回、体験学習をおこなっていましたが、それでも、部活動や保護者の都合で参加できない生徒がいました。
そこで、11月からは、オンラインでの交流会や学習会、スタッフがオンデマンド教材を制作し配信するなど、できるだけ多くの子どもたちが負担なく、参加できる取り組みも新たに始めました。

1年を通して、スタッフと子どもたちの距離が縮まったことや消極的であった子どもたちが、「〇〇をしてみたい」と挑戦する意欲を示すなどの成果が得られました。また、保護者からは、「出かける時間も金銭的な余裕もないので助かっている」「自分だけの時間を作ることができる」などの声もいただいております。

オンデマンド配信した手話教室の閲覧画面
JICA地球ひろばで国際協力について学んでいる様子
群馬の名産であるだるまを絵付けする様子

取り組みからの気づき

「多様な体験による学びは大切だけど、基礎学力がなければ、その学びを活かせないのではないか」「多様な体験を通して、勉強へのやる気が出ても、わからないところが多ければ、やる気を失うのではないか」・・・

今までは、週1回80分の授業で、教科学習をおこなっていました。しかしそれだけでは、学習習慣を定着させたり、学力を向上させたりするのは容易ではありません。
特に、家などでわからない箇所があっても、次の授業までだと時間が空いてしまい、勉強に対してのモチベーションが低下していまいます。

そこで、令和5年度からは自習室として開放する日を、週3日程度設定し、子どもたちのモチベーションを下げない工夫を講じます。また、夏以降は、各家庭からオンラインで相談ができるように準備を進めています。

次に向けて

令和4年度は、今までの授業だけの取り組みから、多様な体験による学びを大切にしてきました。子どもたちの変化を感じられた取り組みもあれば、単に遊ぶだけで終わってしまった取り組みもありました。

令和5年度では、学年ごとに体験による学びの目標を立て、それに沿って取り組みたいと思います。
また、経済的な事情を抱える家庭の子どもたちは、消極的な性格である傾向にあります。
生まれ育った環境によって、歩む道が限定的にならないよう、支援を充実させていきたいです。

特定非営利活動法人Next Generation

理事長

小高広大 さん

1998年生まれ、群馬県高崎市出身。高校3年生の時にNPO法人を設立。小・中学生への学習支援活動や高校生・大学生の将来設計支援活動などを手掛けている。また、2019年からは若者向けフリースペース、2021年からは高校生向け学習スペースの運営を開始し、若者が集う場の提供もおこなっている。現在は、慶應義塾大学を卒業し、常勤職員として県内の大学生と共に、活動をおこなっている。

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