公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2023活動報告|生活・学習支援の場が充実。家庭との信頼関係や保護者の意識にも変化が

一般社団法人 みらいTALK

経済的困難を抱える子どもの学び支援

2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

2022年事業紹介 子どもの生活・学習支援事業 Juice Class+プラス 2022活動報告|少額寄付と高校入学準備金クラウドファンディングの実施

事業の目的 2023年度の取り組みの成果 2年間の総括及び次年度の取り組み概要と抱負

事業の目的

次のようなことを目標として、活動をしています。
1.生活・学習支援事業は3か所で実施しています。参加児の数・ボランティアの質・人数の充実を図り、さらに充実させていくこと。勉強合宿の実施。
2.ほかの学習支援団体との協働をめざし、地域で子どもたちを支えるネットワークをつくるための働きかけを行うこと。

2023年度取り組みの成果

参加者の中には、その家庭状況から、十分な養育ができていないと行政に指導を受けているご家庭もあります。
また、小学校低学年から不登校になりそのまま青年期を迎えている子どもは、名前を書くのがやっとという状態であるなど、子どもたちをめぐる問題の大きさと深刻さを実感しています。
こうしたご家庭では食事も偏っていることがあり、こちらで提供するお弁当について先日子どもたちにとったアンケートでは、好き嫌いに関して「とてもよくなった」36.7%「よくなった」20%と、予期せず6割近くのお子さんに偏食の改善の効果が出ています。

また、生活・学習支援の場である3会場に通ってきているお子さんのご家庭には、定期的にお米やパン、その他の食料品や季節の行事食を提供してきました。
特にクリスマスには家族で食べられるようオードブルやホールケーキをお渡ししています。ほかにも文房具や靴、進学にかかる費用の援助などを行いました。

クリスマスにお渡ししているオードブルやケーキ
文房具など必要な学用品を支援
靴の支援。成長期の体を守ります

こうした支援を続けたことで、今まで何とか自分たちだけの力でと、どこからの支援も受けずにきた方も、自ら相談してきてくれるようになるという、うれしい体験も多くありました。
ある保護者のかたからは「微力ながら私のような方達の力になれたらと思っています」と卒業の際に制服を寄付していただきました。
支援される側から支援する側に、厳しい生活状況は変わらなくても、その心持ちの変化には大きなものがあると思いました。

2年間の総括及び次年度の取り組み概要と抱負

3会場での実施となった生活・学習支援事業は、参加児の数・ボランティアの数ともに順調に経過し、活動が充実しています。 ほかの学習支援団体との協働をめざした働きかけについては、研修会の実施など行ってきましたが、地域のネットワーク作りにはまだあまりつながっていません。
しかし、JuiceClassの認知度が上がるにつれ、子どもや家族への支援の有用性を知った関係機関や行政の方からの紹介児童が増え、すでに3会場とも定員を超えた受け入れとなっています。参加者が増えたことで、要対応のケースが4人に1人を超える状況となり、学習支援だけでなく生活支援が必要なケースはますます増えています。
今後は、中学卒業後行く場がないまま在宅になっている子どもたちや、高校に入学はしたものの支援なしでは継続が難しそうなケースなど、15歳を超えてからの支援も検討していきたいと考えています。

花火を実施

一般社団法人みらいTALK

代表理事

平野 浩一 さん

これまで小児科医として子どもの発達や心身の問題・症状の臨床に携わってきました。 多職種のスタッフと一緒に仕事をしてきて、子どもや家族を支えるためには、診察室の診療だけでできることの限界や、見えづらいものに気づかされてきました。志のある仲間の協力に支えられて今の活動があります。

浜松市発達医療総合福祉センター センター長

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