公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2024活動報告|苦手単元を判定し、原因を解消していく学習支援が高い効果を発揮

特定非営利活動法人 ゆめみ~る

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

3年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

2022年事業紹介 ワクワクたのしい勉強会 2022活動報告|学習教室新規開設1年目の工夫点と成果について 2023活動報告|元教員の方や学生ボランティアさんと、児童の二人三脚で学び直しの支援

事業の目的 事業の内容 事業の結果 事業の成果 課題および今後の展望 3年間の助成を振り返っての感想

事業の目的

・小学生4年生頃にぶつかると言われている「算数の壁」の克服をめざした学び直し勉強会の実施
・勉強会をこども食堂と連携して開催し、参加意欲を喚起する
・利用生徒は学生ボランティア(教員OB)と二人三脚で寄り添い、個別指導を行う
・学習成果の判定を毎回実施するテストで管理し、正答率80%の達成をめざす

ゆめみ~る2Fこども教室での勉強会初日、ボランティアさんの自己紹介

事業の内容

  • 1年目
  • 近隣高校、大学、専門学校のボランティアの参加を得て、勉強会を開催。利用児童は年齢差が小さいボランティアと学習の合間の会話やこども食堂での昼食・居場所時間を楽しみました。

  • 2年目
  • 学生ボランティアに加え、教員OBが参加。主任講師にも教員OBを加え、学習面の指導力強化に努めました。

  • 3年目
  • 学習指導(寄り添い)を学生ボランティアから教員OBへとシフト。利用生徒の学習成果が大きく向上し、学習上の苦手が克服できた喜びを実感したことから、集中力も高まりました。

    ベネッセこども基金による教室視察後。こども食堂での時間

事業の結果

利用生徒の学習回参加動機として当初想定していた「年齢差が小さいお兄さん、お姉さんとの寄り添い」による学習面以外の事柄から、的確な学習指導による「苦手の克服達成」による学習面での達成感充足が学習会参加率にも寄与することが確認できました。 本質から離れたインセンティブではなく、直球勝負の実践が必要と痛感しました。

ゆめみ~るとまり木教室にて。学習開始前の風景

事業の成果

・苦手単元を判定するメソッド
・苦手単元が生じた背景を探索するメソッド
・学習成果をテストによる数値把握して、苦手克服に必要な関連単元の学習ストーリーを進展させるメソッド
の確立

学習管理用TOOLの画面

課題および今後の展望

今後の展望
2024年から放課後等デイサービス事業を開始しました、この事業で不登校児童の支援を開始して、上記メソッドを活用した学び直しを実践します。

課題:放課後等デイサービスを利用できない児童向けの学び直し機会の創出
対策:「生活困窮世帯のこどもの学習支援事業」の開始を行政に訴え、機会活用すること

2024年9月に開業した放課後等デイサービスとまり木建屋

3年間の助成を振り返っての感想

結果でも述べましたが、目的(本質)への直球的活動が支援対象者を動かすことを痛感しました。困りごとであった学習のつまずきをダイレクトに解消することで、高い成果が得られたと思います。
また、東京での研修会は同じベクトルを持って支援に取り組む全国の方々の意見や実践状況を知ることができ、強い刺激を受けました。

特定非営利活動法人ゆめみ~る

責任者

木内 卓 さん

大学卒業後、東京にてIT系会社を立ち上げWEBマーケティングに関わる。2015年故郷の北海道に戻り、地元NPOで生活困窮者自立相談主任相談員を務め、生活困窮者支援に関連するフードバンクや学習支援事業、こども食堂の立上げにに関わる。2021年ゆめみ~るに理事として移籍し、こども支援に特化したフードバンク事業、学習支援事業に邁進中。

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