助成団体紹介
2024活動報告|学習支援や交流会の深化により、外国ルーツを持つこどもをエンパワメント
佐賀県外国にルーツを持つ生徒交流を支援する会
2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。
2023年事業紹介 外国にルーツを持つこどもへの教育支援事業「わーるどりんぐ」 2023活動報告|外国ルーツのこどもの学習会と交流会で、多くのコミュニケーションが生まれました
2024年度の取り組み 2024年度の取り組みの結果 1年間の振り返り 3年目に向けて
2024年度の取り組み
学習支援に関しては、1年目から継続して行っています。2024年度も学習支援と進路保障事業として、中学生・高校生を対象に週一回、放課後学習会を開きました。こども一人一人のニーズに合わせて、マンツーマン指導を行っています。今年も受験生がいたので、訪問支援も併せて行いました。

つながりづくり事業としては、年3回イベントを開き、外国にルーツを持つ佐賀県内のこどもたち小学生から高校生までと、その家族も交えて交流会を催しています。
夏の交流会では、漫画家の星野ルネさんを招待して、カメルーンの文化や星野さんの生い立ちを聞き、そのあと、一緒に遊びました。
冬の交流会では、いろいろな国の遊びをしたあと、いじめについて話し合いました。
春の交流会では、インドネシア料理のナシゴレンを教えてもらい、みんなで作りました。公園でみんなで食べて遊びました。
これらのイベントは、ほとんど学生ボランティアが企画し運営しています。


2024年度の取り組みの結果
学習支援と進路保障事業では、全員がそれぞれの志望校に合格するという結果を出すことができました。 交流会では、2024年度いくつか新たに進化した点があります。学生が主体となって運営できるようになったこと、料理や遊びを教えてくれる役割として、保護者のみなさんの積極的な参加があったこと、ゲストとして東京から招へいした漫画家さんのお話によって、こどもたちがエンパワメントしたことなどです。
1年間の振り返り
学習支援の事業を通じ、小学校高学年あるいは中学生から日本に来たこどもにとって、高校に進学するにはかなり高いハードルがあることを改めて認識しました。進路調査も踏まえて、実態を発信していく必要があります。相談支援においては、進路だけでなくいじめ問題なども含まれます。いじめ等があると学習意欲も低下し、学力にも影響します。今年度は学校との連携によって解決することができました。
学習支援も交流会も、学生が主体となって動いていますが、外国にルーツを持つこどもに関わることによって、学生にとって大きな学びになっていると思われます。
3年目に向けて
3年目は、これまでの学習支援や交流会の活動を通じて得られた知見と、進学調査で得られたデータを総合的に分析考察し、外国にルーツを持つこどもたちの社会的課題を明らかにしていきます。これを報告書としてまとめ、佐賀県の課題を発信し、行政や国際交流に関わる他機関との連携を深め、課題の共有、支援体制の拡充につなげていきたいと思います。
松下 一世 さん
大阪府小学校教員を経て、佐賀大学教育学部の教員をしています。専門は、多文化共生教育を含む人権教育学です。マイノリティのこどもが生き生きとできる学校教育の在り方を研究しています。 2013年に「佐賀県外国にルーツを持つ生徒交流を支援する会」を設立しました。2023年に、西日本国際財団より「アジア未来大賞」を受賞しました。