公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2024活動報告|日本とモンゴルの文化理解などを通じてみられた、「日本で生きるモンゴル人」としての成長

認定特定非営利活動法人 茨城YMCA

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

2023年事業紹介 「モンゴルこどものオルドン」:在日モンゴル人のこどもの学習支援・居場所づくり・文化体験を行う事業 2023活動報告|毎週のモンゴル語クラスのほか、モンゴルの文化を伝えるさまざまなイベントにも参加

こどもたちの成長 2年間の振り返り 3年目に向けて その他・活動への評価

こどもたちの成長

この2年間で、「日本で生きるモンゴル人」として、こどもも先生も成長してきました。開講当初は、学校でも家でも複雑さを抱えていたこどもたちでしたが、日本もモンゴルも両方のアイデンティティを受け入れ合う居場所として、こどもたちが安心して通う居場所となりました。先生たちや保護者も、こどもたちをサポートするために、お互いにたくさんのコミュニケーションを取り合ってきました。モンゴル人コミュニティ―の受け皿としての当法人においても、別事業で関わりの薄い日本人の職員やこどもも、同じ空間を共有していく中で、認め合うことができるようになりました。
今では、こどもたち自身がモンゴル文化を発信する側にまわり、イベント参加を通して馬頭琴や伝統的な歌といった自分たちの文化を堂々と発表することができています。

助成金を用いて、モンゴルからゲル(遊牧民の移動式住居)を2張輸入しました。こどもたちはモンゴルの遊牧の暮らしとはかけ離れた生活をしているので、お父さんお母さんたちは、こどもたちに必死で建て方を教えます。しかし、自分たちも忘れかけているので、一生懸命頑張りましたがこの日は1張だけ建てることができました

2年間の振り返り

初年度は学びの居場所として確立させることができました。そして2年目となる今回は、文化を継承していく土台を積み上げることができました。ゲルが手に入ったことや、献身的に馬頭琴を教えてくれる先生を招へいできたこと、先生たちもコツを掴みオンラインや数学・文化体験などで発展的なものを用意したこと、これらのことを通してこどもたちも「モンゴルこどものオルドン」での学びに積極的になりました。

授業風景
文字を学ぶ
馬頭琴の練習
ステージ出演
文化体験

3年目に向けて

3年目には助成終了後を見据え、継続した運営のために経済的に自立できるよう対外的なアピールを強め、ファンドレイジングに力を入れます。また、「モンゴルこどものオルドン」はモンゴル語を忘れてしまったこどもたちのための学びですが、日本語クラスを開講することで日本語がわからないモンゴルルーツのこどもたちの受け皿を用意します。そして、他の言語のコミュニティーにもアプローチし、これまで積み上げたノウハウを生かして新しい居場所支援を進めます。そして、日本に住む外国ルーツのこどもたちが生き生きと、のびのびと、暮らしていくサポートの輪を広げていきたいと思います。

その他・活動への評価

これまでの貢献がモンゴル国より評価を受け、2025年11月26日「モンゴルの日」に、茨城YMCA総主事宮田康男が、バヤルサイハン駐日モンゴル大使より「ナイラルダム勲章(友好勲章)」を授与されました。
「モンゴルこどもオルドン」の活動が広く知られ、多くの賛同者が加わっていくことを願っています。

勲章授与のようす。バヤルサイハン駐日モンゴル大使(左)と、宮田康男茨城YMCA総主事(右)

認定特定非営 利活動法人 茨城YMCA

代表理事

稲本修一 さん

地元土浦市で自営の印刷業を継ぎ、地元での地道な事業運営を続け、実績を積み上げてきた。
その中、その人柄が広く多くの企業・団体等から信頼され、多数の社会的に意義のある働きに貢献する役職を依頼されている。
土浦南ロータリークラブ第40代会長、土浦ユネスコ協会会長、社会福祉法人愛信会評議員、つくば国際大学後援会会長、つくば国際大学短期大学後援会会長、筑波銀行本店後援会長、茨城ワイズメンズクラブ会長、土浦薪能倶楽部理事など、その職務を担ってきた。
認定特定非営利活動法人茨城YMCAでは、2020年に代表理事に就任した。2023年には茨城県市長会から民間自治功労者として表彰されるなど、これまで多数の職務を忠実に全うされ今日に至っている。

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