助成団体紹介
2025活動報告|学習支援と受験同行支援を中心に実施
一般社団法人 くじら寺子屋
2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。
進学に課題を抱える中学生・高校生・高卒認定の受験サポート及び県外受験同行支援
くじら寺子屋の紹介
学習支援利用の現場
県外受験同行支援
1年間の振り返り
次年度に向けて
くじら寺子屋は、沖縄市東部の海に近い場所にあります。倉庫のような外観にまずは驚かれるでしょう。
A子さんは小学校1年生の時から寺子屋を利用しています。現在高校1年生。令和7年度は中学3年生の高校受験のために利用していました。小学1年生の時から見ているので、特性も把握しています。小学生の時は、勉強したくないとよく泣いている児童でした。それでも毎日寺子屋に通ってくれました。中学校に入り引越しをしてしまい隣の中学校に転校してしまいました。それでも通ってくれました。2年生になる時には、中学校を転校してまた毎日のように利用してくれるようになりました。家庭の状況も複雑な時期があり、苦手な友人の利用があると「私の一番の居場所なのに。癒しの場所でピリピリしたくない」と泣きそうになることもありました。
沖縄県は、県外受験になるとすべて飛行機利用と沖縄県にはない電車の利用というハードルがあります。
一年を通して、行政機関や支援関係者の見学が多く、学習支援・同行支援について支援関係者の方からの相談が多くありました。
これまでの活動を3年目のベネッセこども基金の助成が終わったあとも続けられる仕組みを想像していくことを本格的に始めます。
琉球大学理学部卒業。大学卒業後は、茨城県つくばエキスポセンターで勤務。結婚を機に沖縄県に戻る。
2024活動報告|中高生などの学習支援では、一人ひとりに目標を定め、きめ細かくサポート
くじら寺子屋の紹介
中に入ると学習支援スペースが待ち構えています。そして、奥の部屋に進むとパソコンが自由に使えテーブルゲームや大量のレゴが待ち受けています。そして、今年度作った緊急時のこどもシェルターはこどもたちの安全を見守ることができます。2階部分には本格的なパソコン教室と無料で利用できる理容室兼美容室(理容師見習いの学生のカットモデルとして利用者は利用)、レンタルスペースとして活用できるお風呂付きの部屋。奥の10畳以上の場所では1世帯ごとに対応する食糧支援が開催されます。
こどもの支援に特化したたくさんの要素を詰め込んだくじら寺子屋。そこに集まるこどもたち。
2014年から始まった寺子屋は、現在、平日毎日13時~20時で開催しています。17時30分までは小学生中心で沖縄市の補助金で実施しています。ベネッセこども基金では17時30分~20時の時間のスタッフ人件費と利用者に提供するテキスト、高校入試のための模試試験代などを助成して頂いています。
さまざまな背景や学力、目的があるこどもたち。一人ひとりに向き合うことで、その時必要な支援を手探りしながら利用者と共に創り上げています。
学習支援利用の現場
相変わらず勉強は苦手でしたが、寺子屋で頑張り提出物はすべて1つも滞ることがなく提出し、学校で眠らないということを本当に頑張ってくれました。毎日頑張って理解したところまで持って行っていたのに翌日はわからなくなってしまう。それでも勉強することをあきらめることはありませんでした。テストで良い結果を得ることは難しかったのですが、提出物と授業態度はバッチリ。内申点は悪くはなかったです。そして、受験期突入。毎日寺子屋で勉強をして頑張っていましたが、志望校には残念ながら落ちてしまいました。その後、2次募集で高校には進学。高校生になってからも、大学の推薦がもらえるように課題はしっかり取り組みたいと勉強のために利用を続けています。
この子が受験勉強で大学生ボランティアや高校生たちとワイワイと勉強していた時にその中の一人が発した「勉強ってすごいね。こんなに学年の違うメンバーでも盛り上がって。最高のコミュニケーションツールだね。」この言葉を聞いて、この活動をやっていて本当に良かったと思いました。
県外受験同行支援
そして、ひとり親家庭や経済的に困窮している家庭に重くのしかかる渡航費及び滞在費の負担と同行のために仕事を休む負担。
その負担の中から、くじら寺子屋の負担でスタッフが同行して移動の不安を減らし受験をサポートする支援になります。
この事業の2年目で一番大変だったのは、高校受験のリクエストでした。
高校生の同行支援は、本人もそこに住むことなども考慮し下調べや持っていくものに対して自己判断できる子がほとんどで心配なことは相談してくれました。中学生の場合は、まだまだこどもでほとんどが人任せで本人の飛行機のチケットは家庭で用意してくださいとお話ししていましたが、手配の手伝いや当日チケットを持っていない、携帯電話を持っていないのでsuicaも持っておらず、チケット購入が必要になり、また携帯電話を持っていないので地図アプリで本人が検索できませんでした。時間の計画も本人がしていないので、すべてスタッフのサポートが必要になりました。今後もスポーツ推薦の高校受験の依頼は増えていきそうなので、サポートマニュアルの作成の必要性を改めて感じました。
受験の同行は、受験予定自体がなくなることも多く事業として計画を立てる事が難しかったですが、実際に利用した子からはこの事業の重要性をとても感じました。
また、同行支援について現役受験生に話を聞いたところ保護者が同行でも気が散りそうで嫌だから、知らない人の同行は不安かなという意見がありました。この意見を参考にオープンキャンパスの同行もできることも積極的に伝え、本番以外で県外に行くことを練習できる機会を提供したいです。
1年間の振り返り
しかしながら、実際に面談した時には本人に勉強する意思や受験の意欲などが低い場合も多く、実際に通う前に連絡が取れなくなる場合も多くありました。
その反面、本人から「勉強したい」「受験したいけど経済的な問題があるから相談したい」と連絡があった場合は、その時どんなに学力が低かったとしても進学に向けて頑張ってくれました。支援員の方からの情報提供は必要ですが、誘導された場合は続かないことが多かったです。
勉強したいという意思、勉強をして何をしたいのかを想像することからが支援の始まりだと感じる日々です。
次年度に向けて
また、平日20時までの開催でしたが、22時までの対応も可能にします(利用希望者がいる場合のみ)。そのためには、ボランティアの受け入れが必須になり、ボランティアの皆さんがこの活動に意欲的に関われる仕組みの構築も必須になります。
こども達が学習の場を求める場合はいつでも提供できる状態をこれからも維持していきます。
山下千裕 さん
三児の母。長女の子育てをする中で、「地域で子育て」をする必要性を感じ2014年から自治公民館の事務員をしながら自治公民館内で学習支援を始める。様々なこども達の課題と出会うことで活動が大きくなり、公民館から独立、事業所として運営が始まる。
学習支援を軸としながら、「こどもならいつでも誰でも無料で利用できる場所」としてこどもの居場所・こども食堂・食糧支援・プログラミング教室を実施。同時に文化芸能活動として「創作エイサーぶながやぐわぁ」を設立。地域のイベント出演やボランティア活動も行っている。