公益財団法人ベネッセこども基金

助成団体紹介

2025活動報告|ちがいをチカラに。テクノロジーを味方に。海外につながるこども(越境児童)の可能性を広げる共創型教育モデルを掛川から全国へ

認定特定非営利活動法人 e-Education

経済的困難を抱えるこどもの学び支援

2年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。

同郷者による外国につながるこども(越境児童)のオンライン教育伴走プログラム(全国展開を見据えた自治体モデルの構築)
2024活動報告|掛川から全国モデルを。同郷者によるオンライン算数個別支援プログラムをすべての外国につながるこども(越境児童)たちに

事業の目的 2年間の取り組み 2年間の取り組みの結果 2年間の成果 課題および今後の展望 助成期間を振り返っての感想

事業の目的

本事業は、来日した直後の海外ルーツのこどもたちに対して、彼ら・彼女らが最も学びやすい母語(継承語)で教科学習支援を実施し、誰一人取り残されない教育モデルを構築することを目的に始動しました。1年目の調査を通じて、来日直後のこどもたちが日本語と同じくらい算数・数学に苦手意識を持っており、母語による学習支援を実施することが、学力向上に加えて孤独解消にもつながる可能性を見出し、「掛川から全国へ広がるモデルを」という想いを胸に、協力自治体である静岡県掛川市と新しい教育モデル創出に挑戦しました。

2年間の取り組み

本事業では、掛川市内の学校に通う海外につながるこどもたち(越境児童)に対して、母語によるオンライン算数個別支援プログラムを実施。1年目では掛川市内4校において実証事業を実施しました。2年目は、本事業を全国他地域に展開するために、持続発展可能なモデル作りと、全国に広げるためのネットワーク構築に注力した1年でした。

2025年度は学校視察が増加。掛川市外・県外からの視察も増え、全国に広げるネットワークづくりが進みました

2年間の取り組みの結果

2024年から掛川市内の小学校に実証事業を実施し、この2年間で100人以上、オンライン学習コーチ実施時間は1000時間を超えました。来日した時点では掛け算九九もこれからという児童が、半年で学校の授業に追いつくなど好事例も生まれました。そのノウハウをまとめたガイドラインを作成し、学習コーチ間の学び合いの仕組みを構築することもできました。
また、母語学習コーチのみならず、越境児童に寄り添う多様なステークホルダーが一堂に会するイベントも実施しました。延べ500人以上の方々にご参加いただき、業界の枠を超えたネットワークが現在構築できつつあります。

2026年2月に開催したイベントには100名以上が参加。海外につながるこどもたちを応援する共創の輪が広がった1日でした

2年間の成果

本事業申請当初、掛川市内の全校導入や他地域展開を計画していたものの、生徒たちの実態把握や多様なニーズを持つ学校へ導入方法を模索した結果、児童数・学校数は当初計画よりも少ない着地となりました。その一方で、本事業が全国のモデルになる可能性を多くの方に信じていただき、2025年度新たに作成された掛川市総合計画では「ちがいをチカラに」「テクノロジーを味方に」という理念のもと、本事業についても事業概要に明記いただき、モデル事業づくりという観点において一定の成果が得られたと考えています。

新しく作られた掛川市総合計画 (23ページに本事業に関する記載あり)

課題および今後の展望

本事業を通じて、海外につながるこどもたちを支える学校の先生方の業務負荷を痛感し、現在は学校・教育委員会みなさまからの要望を踏まえてアプリ/サービス開発を進めています。また、彼ら・彼女たちの個別指導計画づくりに不可欠なアセスメントづくりにも着手しており、これからも引き続き全国のモデル作りを目指して活動を続けていきます。

助成期間を振り返っての感想

2年間の助成は本事業の立ち上げにおいて不可欠でした。これまで国際協力分野で長年活動はしてきたものの、国内で初めての取り組みであった本事業を創業時点からご支援いただいたことは大変ありがたく、おかげさまで学校現場における実証事業実施に至りました。また、本事業では学校や生徒のニーズを踏まえて度々事業計画を修正する機会がありましたが、その都度柔軟に対応してくださり、最終的に学校現場や児童本人が本当に必要とする事業作りを進めることができたと思っております。改めて素敵な伴走支援、本当にありがとうございました。

認定特定非営利活動法人 e-Education

代表

三輪開人 さん

1986年生まれ。早稲田大学在学中に税所篤快と共にe-Educationの前身を設立。大学卒業後はJICAで勤務し、14年7月にe-Educationの代表理事へ就任。これまでに途上国14カ国3万人の中高生に支援を届けてきた。
2016年、「Forbes 30 under 30 in Asia」選出。2017年、第1回ICCカタパルト・グランプリ優勝。著書『100%共感プレゼン』(ダイヤモンド社)

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