助成団体紹介
2023活動報告|学習指導と体験活動を安定的に続けながら、業務をDX化しスタッフ育成にも注力
特定非営利活動法人 Next Generation
3年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。
採択団体一覧|2021年度<経済的困難を抱える子どもの学び支援活動助成> 2021活動報告|ひとり親家庭をはじめとした貧困家庭の児童生徒への個別学習支援事業と組織力向上事業 2022活動報告|多様な体験を通じた学びの実施
事業の目的 事業の内容と活動の経過 事業の結果 事業の成果 課題および今後の展望 3年間の助成を振り返っての感想
事業の目的
今回の助成事業の目的は、個別学習指導と体験型活動を組み合わせた支援プログラムの構築と、その効果測定にあります。特に3年目の2023年度は、事業のブラッシュアップと効果の測定、組織基盤の強化を重点的に行い、支援プログラムが継続的に運営できる体制を整えることをめざしていました。
事業の内容と活動の経過
外部のコーディネーターのもと、これまで行ってきた活動を整理し、当団体の強みや弱みを分析しました。その中で、情報発信の不足と、委託や補助金に頼る財政状況が課題として挙げられ、それらを改善するための具体的な活動を行いました。まず、過去から現在までの活動内容やスタッフ紹介、活動ブログなどを発信できるよう、団体ホームページをリニューアルし、オンライン寄付決済システムを導入しました。また、過去に作成した資料をGoogleドライブに整理し、スタッフが事業に活用できるよう整備しました。
事業の結果
活動の結果として、毎年10名程度の中学生に個別学習指導と体験型活動を提供し、延べ1,000回程度の授業と30回程度の体験型活動を実施しました。授業時以外でも学習に取り組めるよう、タブレットを購入し、オンラインを組み合わせた学習指導が可能となりました。また、団体のホームページをリニューアルし、オンライン寄付決済システムを導入することができました。さらに、過去の資料を整理し、今後の活動に活かせるようにしました。
事業の成果
参加した子どもたちが徐々に自信をつけ、将来に希望を持って歩み始める姿が見られるようになりました。1年目は体験型活動の運営方法に悩みましたが、3年目にはその効果を期待しながら運営できるようになりました。また、個別学習指導と体験型活動を組み合わせた支援プログラムが地域に広まり、保護者や行政関係者からの問い合わせが増えました。組織基盤強化の一環としてDX化も進め、業務運営が効率化し、スタッフの育成にも注力できるようになったことも大きな進展です。
課題および今後の展望
家庭環境の不安定さにより精神的な不安を抱える子どもが増えており、単に学習内容を理解させるだけでなく、スタッフと安心できる関係を築き、精神的な支えを提供することが求められています。これを実現するためには、特定の限られた時間だけでなく、いつでも立ち寄れる場所を作る必要があります。また、最近では不登校の子どもを持つ保護者からの相談が増えており、これらの家庭に対する支援も急務です。今後の展望としては、子どもたちにとって安心して過ごせる場所を提供し続けるとともに、不登校の子どもやその家庭に対してもきめ細やかな支援を行い、地域全体で子どもたちを支える体制を強化していきます。
3年間の助成を振り返っての感想
3年間の助成を振り返ると、1年目は新型コロナウイルス感染症の影響や法人予算規模が約5倍に跳ね上がったことにより、事務局がうまく機能せず、思うような成果を出せませんでした。しかし、3年目に入り組織も安定し、事業の効果を期待しながら運営することができるようになりました。今では、3年間この活動に通っていた子どもたちが高校生となり、別事業として運営している高校生の学習スペースに勉強しに来ています。さらに、高校生のスタッフとして活動を手伝ってくれるようになり、彼らとのゆるいつながりが続いています。ちょっと年上のお兄さん、お姉さんとなり、支援を受ける側から支援する側へと変化していくこの循環を大切にしながら、今後も事業を運営していきたいと考えています。
小高広大 さん
1998年群馬県高崎市生まれ。東京のNPO法人での活動を通して、群馬と東京の学校外教育の格差を感じ、高校3年生の時にNPO法人を設立。小・中学生への学習支援活動や高校生・大学生の将来設計支援活動などを行っている。また、2019年からは若者向けフリースペース、2021年からは高校生向け学習スペースの運営を開始し、若者が集う場を提供している。2023年に慶應義塾大学を卒業し、現在は県内の大学生と共に、若者が自分の将来に希望を持てる社会をめざして活動している。