助成団体紹介
2025活動報告|「モンゴルこどものオルドン」はこどもたちの心を支える居場所に
認定特定非営利活動法人 茨城YMCA
3年目の助成期間を終え、活動の成果をご報告いただきました。事業の詳細などは以下からご覧ください。
2023年事業紹介 「モンゴルこどものオルドン」:在日モンゴル人のこどもの学習支援・居場所づくり・文化体験を行う事業
2023活動報告|毎週のモンゴル語クラスのほか、モンゴルの文化を伝えるさまざまなイベントにも参加
2024活動報告|日本とモンゴルの文化理解などを通じてみられた、「日本で生きるモンゴル人」としての成長
事業の目的 事業の内容 事業の成果 課題および今後の展望 3年間の助成を振り返っての感想
事業の目的
つくば市には子育て世代のモンゴル人家庭が住んでおり、その家庭のこどもたちは日本生まれ・日本育ちです。こどもたちの自己認識は日本人であり、モンゴルのルーツに嫌悪感を示すこどもも少なくありません。基本的には親も日本語を話せますが、心の深い部分のコミュニケーションには母国語が必要です。そのように、こどもたちは自分のルーツにおいて葛藤の中にあります。このアイデンティティにおける課題に寄り添い、当事者グループが主体となって、母国語や母国文化を学ぶ居場所「モンゴルこどものオルドン」が立ち上がりました。
経済的に余裕のある家庭も少なく、なんとかモンゴル語の先生を呼ぶことがやっとな状況でした。そこから、こどもたちが自分たちの文化に誇りをもって、自ら発信していく側になることができることを目指し、助成事業が始まりました。助成事業の中では、講師体制を整え、外部の協力者や協力機関を見出し、伝統文化を伝えてくれる講師を探し、伝統的な物品についても購入、そして、外国ルーツのこどもたちにターゲットをおいた居場所支援のノウハウを蓄積、多岐にわたる活動を広げてきました。
事業の内容
「モンゴルこどものオルドン」にて、毎週土曜にモンゴル語学習支援・居場所支援を行っています。つくば市や近隣都県に住む30名程度のこどもたちが元気よく通っています。ダンスや馬頭琴の講師を呼んだり、季節のイベントを通して、モンゴル文化を楽しみながら知ることができました。また、モンゴルイベントなどにも参加し、発表を通してモンゴル文化をこどもたち自身が伝えています。
ネットワーク構築のための取り組みの中では、「モンゴルこどものオルドン」が高く評価されており、行政や支援団体との関係も築くことができています。
事業の成果
「モンゴルこどものオルドン」の活動では、毎週土曜にモンゴルルーツのこどもたちを集め、母国語支援と居場所支援を行いました。日本での生活に精一杯な保護者は母国語教育ができず、日本で生まれ育ったこどもたちは「モンゴル人ではなく日本人だ」と考え、モンゴル人家庭のアイデンティティが苦しい状況にありました。当活動は、モンゴルにルーツを持つ友達との遊びや学びの時間を通して、自分のルーツの文化を知り、自分の存在を認め合う仲間もいることをこどもたちが確認できる居場所となることができました。
助成によって、馬頭琴やダンスなどの伝統芸の講師を呼んだり、ゲル(移動式住居)や教材・テーブルなども購入し、活動の幅が広がりました。そのおかげで、プログラムが充実し、イベントにも出展・ステージ出演するようになり、今では多くの在日モンゴル人が当活動を認知しています。在日モンゴル大使館からも良い協力を得られており、東京にもオルドンの活動が開講されました。
さらに、茨城県南地域における外国ルーツのこどもたちへの支援においてネットワークが広がり、新しい活動へと発展ができるようになりました。
課題および今後の展望
この3年間で、一定のニーズを満たすことができました。「モンゴルこどものオルドン」の活動を軸として、外国ルーツの児童への支援をより発展・充実させていきたいと考えています。
オルドンのこどもたちが大きくなり、これから高校進学などを迎えようとしています。日本の受験システムなどはモンゴル人保護者も理解が難しいため、現在進学資料の翻訳をするなどを通して、モンゴル人家庭の進学支援を準備しています。他にもこどもたちのライフステージにおいて、不利になってしまわないように就学・進学の支援が必要となっています。
また、茨城県においてはモンゴル人以外にも支援が必要な外国籍のこどもたちがいます。つくば市では、行政からも積極的な取り組みがなされているものの、他の市町村では支援の手が足りていません。茨城には外国籍家庭が増えてきているため、困難を抱えている家族に支援の手が届くように、行政や地域の人々と共に解決にあたります。
3年間の助成を振り返っての感想
「モンゴルこどものオルドン」は2022年秋に始まり、最初は運営することに必死でしたが、2023年から助成を受けたことによってこの3年間で活動の基盤が整って安定することができました。講師や保護者も、積極的にこどもたちのために毎週準備をしています。他にも活動を理解してくれる人々がたくさん起こされ、モンゴル人だけでなく、日本人からも認知されるようになりました。在日外国人支援と聞いて、日本語や日本での生活について教えることをイメージしていましたが、母国語の言葉と文化を伝えることも、こどもたちのアイデンティティを養うという立派な支援であると感じるようになりました。
この3年間において助成がなければ、ただのモンゴル人コミュニティに留まってしまったと思います。しかし今は、自分たちの文化に誇りを持つこどもたちが育ち、モンゴル人以外の人々にも明るく伝えることができます。
こどもたちは将来、日本に住み続ける人もいれば、モンゴル国に帰る人もいます。どちらをとっても、日本とモンゴルをつなぐ両国にとっての宝物です。
当法人では、これからも外国ルーツのこどもたちの心を支える居場所となっていけるようにと願っています。
稲本修一 さん
地元土浦市で自営の印刷業を継ぎ、地元での地道な事業運営を続け、実績を積み上げてきた。
その中、その人柄が広く多くの企業・団体等から信頼され、多数の社会的に意義のある働きに貢献する役職を依頼されている。
土浦南ロータリークラブ第40代会長、土浦ユネスコ協会会長、社会福祉法人愛信会評議員、つくば国際大学後援会会長、つくば国際大学短期大学後援会会長、筑波銀行本店後援会長、茨城ワイズメンズクラブ会長、土浦薪能倶楽部理事など、その職務を担ってきた。
認定特定非営利活動法人茨城YMCAでは、2020年に代表理事に就任した。2023年には茨城県市長会から民間自治功労者として表彰されるなど、これまで多数の職務を忠実に全うされ今日に至っている。